情報処理技術者試験は、全種類を一つずつ取得する必要はありません。まず「ITの共通知識」「開発の基礎」「安全管理」「仕事の専門分野」のどれを学びたいかで、最初の試験を選びましょう。
この記事では、2026年度の情報処理技術者試験12区分と情報処理安全確保支援士試験を合わせた13試験を比較します。取得順は学習ルートの一例です。難易度・勤務年数だけで一律に並べるのではなく、目的と現在の知識に合わせて選びます。
迷ったら、この入口から
- ITの言葉や業務との関係を学びたい:IPを確認
- 開発・IT技術の基礎を学びたい:FEを確認
- 情報の安全な取扱いを学びたい:SGを確認
- 基礎知識があり設計・管理へ広げたい:APや専門分野を確認
2027年度の制度見直しに注意:以下は現行制度の選び方です。IPAは2027年度からの新制度への移行を予定しています。受験年度が2027年度になる場合は、制度変更とCBTの整理とIPAの制度見直し案内を先に確認してください。

ITの共通知識から学ぶ|ITパスポート(IP)
IT全般の言葉や、経営・業務とITの関係を学びたい人の入口です。開発職を目指す人でも、初めて出会う用語が多いなら基礎の整理に使えます。
全員がITパスポートから受ける必要はありません。ITの基礎があり、アルゴリズムや開発の学習を進めたい場合は、基本情報の例題を先に見て判断しましょう。
利用部門の安全管理を学ぶ|情報セキュリティマネジメント(SG)
組織で情報を安全に扱うための管理や判断を学びたい人の候補です。利用部門の業務にも関わるため、開発職向けの基本情報と目的を分けて選びます。
「ITパスポートの次に必ずSG、その後にFE」と進む必要はありません。セキュリティの管理を学びたいならSG、開発・IT技術の基礎を広く学びたいならFEを比較してください。
開発・IT技術の基礎を学ぶ|基本情報技術者(FE)
IT開発に関わる基礎知識を体系的に学びたい人の候補です。プログラミングに関心がある場合も、用語だけでなく、アルゴリズムの処理を自分で追う練習を組み合わせましょう。
若手だけの資格として扱ったり、経験年数だけで受験を避けたりする必要はありません。現在の知識と出題範囲との差を確認し、業務や学習の目的に合うかで選びます。
設計・管理へ知識を広げる|応用情報技術者(AP)
ITの基礎を踏まえて、設計・管理など幅広い分野へ学習を広げたい人の候補です。FEに合格してから進む方法は一例であり、基礎知識がある人まで全ての入門資格を取得する必要はありません。
記述問題を一度解き、知識の不足と解答の書き方のどちらに課題があるか確認しましょう。高度試験等の科目A-1免除を考えている人は、2026年度の対象合格期・免除条件を確認してください。2027年度の取扱いは検討中の点があり、免除を確約するものではありません。
専門分野で選ぶ|SC・DB・NW・ES
ここからは、仕事で深めたい技術分野に合わせて選びます。SC・DB・NW・ESをすべて取ってから管理分野へ進む必要はありません。
情報処理安全確保支援士試験(SC)
セキュリティの専門知識と、事例に応じた対策の考え方を深めたい人の候補です。SGから学び始める方法もありますが、現在の知識と過去問の内容で準備する範囲を決めます。
試験合格と、国家資格「情報処理安全確保支援士」への登録は別です。登録を考えている場合は、登録・講習制度も確認しましょう。
データベーススペシャリスト(DB)
データベースの設計・管理やSQLの知識を深めたい人の候補です。特定の製品の操作だけでなく、表の関係や設計理由を説明する練習が必要か確認します。
ネットワークスペシャリスト(NW)
ネットワークの設計・運用を深めたい人の候補です。構成図や通信の流れを読み、対策・設定の理由を説明できるかを過去問で確かめましょう。
エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)
組込み・IoT分野で、ハードウェアとソフトウェアの要求や設計を学びたい人の候補です。自分の担当製品だけに限定せず、出題される技術・業務の範囲を公式で確認します。
設計・管理・監査・戦略の役割から選ぶ
設計、プロジェクト管理、運用改善、監査、経営とITなど、学ぶ役割に合わせて選びます。以下は資格の上下関係や、役職を上がる順番を示すものではありません。
ITサービスマネージャ(SM)
ITサービスの提供・運用・改善を体系的に学びたい人の候補です。顧客や業務の要求に対し、品質をどう確認し、改善するかを説明する練習につなげます。
システムアーキテクト(SA)
システムの要件定義やアーキテクチャ設計を学びたい人の候補です。単に「管理職向け」とせず、業務の要求をシステムの構成・方式へ落とし込む役割に関心があるかで検討してください。
プロジェクトマネージャ(PM)
プロジェクトの計画・進行・関係者調整などを体系化したい人の候補です。実務経験がある人も、課題、判断、対応、評価を設問に沿って説明できるか確認します。
システム監査技術者(AU)
システム監査やITリスク管理を学びたい人の候補です。監査の目的、確認する証拠、評価の理由を整理する視点で、出題内容を確かめましょう。
ITストラテジスト(ST)
経営戦略とIT活用の関係を学びたい人の候補です。高度試験の中で一律に「最上位」と位置付けるのではなく、企画・戦略という役割に合うかで選びます。資格だけでCIO・CTOへの就任や転職が決まるわけではありません。
次に使う教材を選ぶ
一つ選んだら、公式の出題範囲・例題・過去問を見て、今の知識との差を確かめます。そのうえで参考書で進めるか、講義で説明を聞くかを選びましょう。
参考書を読めるなら、最初から講座を増やす必要はありません。説明を読んでも止まる、学習の順序を作りにくい場合は、無料体験で講義・演習の相性を確認します。有料講座では対象年度、受講期限、質問回数、添削の範囲、追加費用を比べてください。
職種から選び直したい方はキャリア別の資格選び、費用も含めて比較したい方はIT資格の受験料・維持費比較も確認できます。情報処理技術者試験の比較、その他のIT資格も掲載しています。
確認日:2026年10月21日。制度の出典:IPA試験区分一覧、2026年度の日程・免除条件、新制度の検討状況、ES、SA。ほかの各試験の対象分野も、同一覧から参照できるIPAの試験案内に基づき整理しています。取得順・教材選びは当サイトの提案です。

