ディクテーションとシャドーイングは、何が違い、どう組み合わせればよいのでしょうか。聞いて書く練習と、追いかけて声に出す練習を比較し、短い素材で試せる手順、研究の読み方、教材選びを紹介します。
まず聞き取れない箇所を確かめたいのか、理解した音声のリズムを声に出して試したいのかを決めましょう。自分の記録を残すと、次にする練習を選びやすくなります。
ディクテーション・シャドーイングの基本と違い
ディクテーションは聞いた内容を書いて確かめる練習、シャドーイングは流れる音声を追いかけて声に出す練習です。まず短い素材で、何を確認したいかを決めて使い分けましょう。

ディクテーションは、聞いた内容を書いて確かめる
聞こえた語句を書き、スクリプトと比べて確認します。書けなかった箇所を残せるので、音を聞き取れなかったのか、単語や意味を知らなかったのかを調べる材料にできます。
シャドーイングは、音声を追いかけて声に出す
音声を聞きながら、少し後を追って同じ内容を声に出します。British Councilの指導例は、理解が難しすぎない短い素材で、音のつながり・リズム・抑揚に注目する進め方を紹介しています。必要に応じて文字で確認し、録音を聞き直すこともできます。
2つの違いを、練習中に確認することから比べる
| 項目 | ディクテーション | シャドーイング |
|---|---|---|
| すること | 聞いて書き、文字と照合する | 音声を追って声に出す |
| 確かめたいこと | 書けなかった語や音 | 音のつながり・リズム |
| 残すもの | 書き取りと確認メモ | 自分の録音と確認メモ |
| 難しい時 | 短く区切り、語句を確認 | 内容確認や音読へ戻る |
どちらから始めるかは、今確かめたいことから選ぶ
聞き取れない箇所を残したいなら書き取り、内容を理解した音声のリズムを試したいなら声に出す練習を選べます。短い素材を試して、今することを一つに絞りましょう。
効果を感じにくい時に確認したい3つの点
手応えが分からない時は、素材の難しさ、比べる記録、次の復習の3点を確認します。努力の量だけで判断せず、取り組む内容を調整してみましょう。
① 素材の長さと難しさを調整する
長い音声で止まってしまうなら、一文や短い区間へ分けます。文字を読んでも意味が難しい場合は、語句を調べるか、より身近な内容の素材へ変えてみましょう。
② 同じ課題を比べられるよう記録する
最初に使った音声、書き取りや録音、確認した語句を控えます。後日同じ短い箇所を試し、さらに別の箇所でも聞いて、どの練習を続けるか考えましょう。
③ 聞き取れない箇所を、次の練習へつなげる
答え合わせでは、分からなかった箇所を一つ選びます。知らない語なら意味と音声、知っていた語なら文の中での音を確かめ、もう一度聞いてみましょう。
口コミは、目的・素材・練習方法を一緒に読む
口コミでは、どんな素材を、どのくらいの長さで、どう練習したのかを見てみましょう。投稿者の感想をそのまま自分の結果に当てはめず、試せる手順や素材選びのヒントにします。
困った時の確認と次の一手
| 困ったこと | 試すこと |
|---|---|
| 書き取れない | 短く区切り、分からない箇所だけ控える |
| 声が追いつかない | 文字と意味を確認し、短い区間で試す |
| 変化を比べにくい | 最初の書き取り・録音を残す |
| 続きが分からない | 次に聞く箇所を一行残す |
効果の研究を、対象と方法から読む
ディクテーションとシャドーイングを組み合わせたリスニング学習の研究があります。ここでは、茅野淳一郎氏の2006年の論文抄録で確認できる内容を紹介します。出典:J-STAGE掲載「Effects of the combination of dictation and shadowing practices on listening comprehension skill」。
研究では、どんな練習を行ったのか
この研究は日本人高校生78名を対象とし、6か月間に18セットの練習を実施しています。書き取りの誤りを確認した後、学校や家庭でシャドーイングを行い、自己評価も取り入れました。前後の比較にはGTEC for studentsのリスニングテストを使用しています(上記論文抄録の要約)。
リスニングテストで報告された変化
抄録では、中位群と下位群に有意な得点の伸びがあり、上位群には有意な伸びが観察されなかったと報告されています。同じ学習でも、開始時の力や対象、練習の条件によって結果の見え方が変わる点を読み取れます。
効果が出る期間を、一律に決めない
この研究の6か月という期間は、その研究で実施した条件です。「何週間で誰でも効果が出る」という基準には置き換えず、自分の短い課題と記録で、次に必要な練習を選びましょう。
書き取れなかった語句と、意味を確かめる
書き取りで迷った語句は、スペルだけでなく意味と、文の中でどう聞こえたかを確かめます。文字で知っていた語と音が結び付かなかった場合も、同じ区間を聞き直す材料にできます。
研究を参考に、自分の記録で練習を選ぶ
研究を参考に取り入れるなら、書き取りの確認、同じ音声での発話、振り返りを一組にしてみましょう。日数や得点だけで決めず、確認できた箇所と、次に試すことを記録します。
初心者も試せる手順と、振り返り方
以下は、短い素材を使って試すための手順例です。練習と振り返りを区切るための案として、自分の難しさに合わせて調整しましょう。
ディクテーションの手順【音声素材への入口つき】
- 音声とスクリプトがある短い素材を選ぶ
- スクリプトを閉じ、短い区間を聞いて書く
- 分からない箇所は印を付け、何度か聞く
- スクリプトを開き、語句と意味を確認する
- 同じ区間をもう一度聞き、次に練習する箇所を残す
練習素材の例として、Randall’s ESL Lab「Hotel Reservations」には音声と「See Listening Script」への案内があります。全文を一度に扱う必要はなく、取り組める区間を選んでください。

シャドーイングの手順と、音読・復唱との違い
- 短い音声を聞き、文字でも意味を確かめる
- 言いにくいところは先に音読する
- 音声を流し、少し後から追って声に出す
- 短い区間を録音して聞き直す
- 音のつながりやリズムで、次に確かめたいところを一つ残す
音読は文字を見て自分のペースで読む練習、復唱は短い音声を聞き終えてから繰り返す練習です。流れる音声を追うのが難しければ、短く聞いて復唱するところへ戻れます。

練習を続けるために決めたい3つのこと
- 素材:文字で意味を確認できる短いものを選ぶ
- 予定:聞く・書く・声に出す場所を分ける
- 記録:書き取りや録音と、次にすることを残す
内容確認・発話・記録を一組にする
書いて確認した箇所を、同じ音声で声に出す練習へつなげます。終わった後は「次はここを聞く」と一行残し、続きへ戻りやすくしましょう。
目的から選ぶ、2つの使い分け
どちらか一方を優れた学習法と決めるより、今確かめたい内容から選びます。書き取りと発話の両方を使う場合も、同じ素材なら振り返りをつなげられます。
聞き取れない箇所を見つけたい時
音は聞こえるけれど語句が分からない時は、書き取りとスクリプトの確認で箇所を探します。確認後に同じ区間を聞き、どこで違って聞こえたかを比べてみましょう。
音のつながりやリズムを声に出したい時
音のつながりや強弱を試したい時は、意味が分かる短い音声でシャドーイングを行います。書き取りで確かめた語句も、文の中の音として聞き直せます。
同じ素材で組み合わせる例
| 区切り | すること | 次へ残すもの |
|---|---|---|
| 1回目 | 聞いて書き、スクリプトで確認 | 聞き取れなかった箇所 |
| 2回目 | 意味を確認して音読・シャドーイング | 言いにくかった箇所 |
| 3回目 | 同じ区間を再度試し、別の区間でも確認 | 次に練習する一つ |
3回は練習を区切る例です。短期間での点数向上や、特定の日数での習得を示すものではありません。
目的別の使い分けを表で確認
| 目的 | 試す練習 |
|---|---|
| 聞き取れない箇所を残す | 書き取り→文字と意味の確認 |
| 音のつながり・リズムを試す | 内容確認→音読→シャドーイング |
| 両方を組み合わせる | 同じ素材で書き取りの確認を発話へつなげる |
教材・アプリを選ぶ時の確認点
教材は、音声を短く区切れるか、文字と意味を確認できるか、興味のある話題かを見て選びましょう。端末や再生環境も先に確かめると、練習を始めやすくなります。

スタディサプリENGLISHを使う場合
スタディサプリENGLISH新日常英会話には、ディクテーションや発話のトレーニングが案内されています。機能の並びや操作を一律に決め付けず、公式の機能紹介と体験で自分が使いたい練習を確認しましょう。
料金や申込条件は新日常英会話の全体案内、発話機能の使い分けと実践手順はスピーキング練習の記事で整理しています。
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YouTubeやPodcastを使う場合
動画やPodcastを使う場合は、作成者が公開しているスクリプトや字幕と音声を照合できます。自動字幕は誤りを含むことがあるため、答え合わせ用の原稿がある素材を選ぶと確認しやすくなります。
学習者向けの公開先にはBBC Learning English公式チャンネルやVOA Learning English公式チャンネルがあります。視聴できる地域や各動画の字幕・原稿を確認して使ってください。
スクリプト付きの素材を選ぶ時のコツ
書籍を選ぶ時は、版、収録音声の再生方法、スクリプトや訳、練習したい内容を確認しましょう。付属CDやダウンロードの有無は、商品ごとの案内で確かめます。
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無料で使える練習素材の入口3つ
- ELLLO:レベルや話題から公開レッスンを選べます。「Favorites」の音声・Script付きレッスン例もあります。
- Randall’s ESL Cyber Listening Lab:レベルや日常の話題から聞く練習を選べます。
- British Council LearnEnglishのListening:A1〜C1のレベル別に公開されたリスニング練習の入口です。
2026年10月29日に公開の案内と素材ページを確認しました。音声や原稿は各提供元で利用し、教材ごとの利用条件を守ってください。BBC Learning Englishも学習素材の公開先ですが、接続できる地域や番組ごとの原稿の有無を確認して選びましょう。
目的と続けられる予定に合う素材を選ぶ
まず短い素材を一つ試し、音声を区切れるか、内容を確かめられるか、続きへ戻れるかを確認します。大量に教材を増やす前に、同じ素材で一回の練習と振り返りを終えるところから始めましょう。
次の練習を決めるチェックリスト
- 使う音声と区間を決めたか
- 文字で語句と意味を確認できるか
- 書き取りや録音を残したか
- 次に練習する箇所が一つ決まったか
素材が難しい時は、区切りや確認方法を変える
書けない、声が追いつかない時は、区間を短くする、スクリプトで確認する、音読や復唱へ戻るという選択ができます。内容を確認しても難しければ、より身近な話題へ変えてみましょう。
時間・場所・音の聞きやすさを整える
音を聞き取れる環境と、声を出せる場所を分けて予定に入れます。音量は周囲に配慮して調整し、画面の操作が難しい時は、机で取り組める区間を先に控えておきましょう。
休んだ後も戻れる場所を残す
休んだ後は、最後に確認した語句や短い区間へ戻ります。全部をやり直すより、次にすることが一行あると再開の場所を決められます。
練習後の記録を、次の一手へ
練習の後は、「確認できた語句」「言いにくかった箇所」「次に試すこと」を短く残します。時間や日数に加え、内容の記録を次の練習選びに使いましょう。
まとめ|短い音声で、聞く・書く・話すを試そう
ディクテーションとシャドーイングは、同じ音声でも確認の仕方が異なります。短い素材を選び、書き取り、意味の確認、発話、振り返りを必要に応じて組み合わせましょう。
この記事の要点を振り返る
- 書いて確かめるのがディクテーション
- 流れる音声を追って話すのがシャドーイング
- 短い素材で内容を確認し、記録を次の練習へつなげる
- 研究結果は、対象や条件も合わせて読む
最初の一回で確かめること
最初の一回は、聞いて確かめたい区間を決めて試し、分からなかった箇所を残すところまで進めましょう。使った音声と次にすることが決まれば、続きへ戻れます。
3回の練習を区切る例
最初は書き取りと確認、次は音読やシャドーイング、その次は録音を聞き直すなど、練習を区切れます。回数は自分の予定へ調整し、難しい箇所へ短く戻る形でも取り組めます。
教材の説明と、自分の体験から選ぼう
無料公開の素材で始めるか、アプリや書籍で練習をまとめるかは、必要な機能と予定から選びましょう。スタディサプリを候補にする場合は、通常料金・初回体験・自動更新の条件を確認し、体験で使いたい練習を試してみてください。
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