
涙が出るほどやさしい。
でも、英語で読んでもっと深く味わえる──



このブログでは、SNSで話題の感動作『柴犬の15年の物語』を英語&日本語で全話掲載しています。
✔️ 英語初心者でも読める
✔️ 感情で覚えるから忘れにくい
✔️ 英語日記や表現力アップにも◎



英語は、「覚える」より「感じる」もの。
物語を通して、言葉の奥にある“気持ち”を、英語と一緒に学びましょう。
\ 物語を直ぐに読みたい方 /
英語×ストーリーで、心に残る学習体験を



英語学習において最も大切なのは、「続けられること」そして「記憶に残ること」。
その両方を叶えるのが、“物語で学ぶ英語”です。



本記事でご紹介する《柴犬の15年の物語》は、誕生から寿命までを1話ずつ描いた全16話のストーリー。
英語と日本語の対訳つきで、初心者でも感情をたどりながら英語を理解できる構成になっています。



「英語を読んで泣いたのは初めてだった」
「ただの英語勉強じゃなくて、物語が心に残る」
そんな声が続々と届く理由は、“記憶に残る感情”と一緒に英語が入ってくるからです。



英単語だけでなく、「やさしさ」「孤独」「再会」など、人生に寄り添う感情表現を自然に身につける英語教材としても注目されています。
\ 物語を直ぐに読みたい方 /
全16話、1話ずつ成長する柴犬の人生を英語で



このシリーズは、1話=1歳ずつ成長していく柴犬の物語。
英語での表現も、シンプルながら感情豊かでやさしい言葉が選ばれており、初心者にも読みやすいのが特徴です。
- 誕生した日の「ぬくもり」
- はじめての別れの「さみしさ」
- 誰かを守りたいと思う「やさしさ」
- 最後の日に感じた「ありがとう」の気持ち



それぞれの話に、日常英会話とは違う、“心を表す英語表現”がたくさん含まれています。
ただ読むだけでなく、「気持ちで覚える英語学習」ができます。
物語形式だから「英語が苦手」でも最後まで読める



この物語は、1話あたり300〜500文字程度の短編構成。
それぞれに日本語訳がついているので、英語に自信がない方でも安心して読めます。



さらに、物語形式にはこんなメリットがあります:
- ストーリーが気になるから自然と読み進められる
- 文脈の中で単語やフレーズが記憶に残る
- 英語表現と感情がセットで身につく



「英語の勉強が続かなかった」
「単語を覚えてもすぐ忘れてしまう」
そんな方にこそ、“感動しながら学べる英語学習法”としておすすめです。
このシリーズが「英語初心者」にやさしい理由



英語学習において最初の壁は「難しそう」「理解できるか不安」という心理的ハードル。
この柴犬ストーリーシリーズは、英語初心者でも安心して読める3つの理由が詰まっています。



物語形式、対訳、やさしい構文、そして感情に寄り添う英語表現。
「勉強」というより、「読書体験」のように英語にふれることができます。
1話=短くてやさしい英語&日本語の対訳つき



このシリーズは、1話ごとに約300〜400語の英文と対応する日本語訳を掲載。
・英検3級〜準2級程度の英文構造
・シンプルだけど情緒豊かな表現
・短くても“物語”として成立する構成



英語が苦手な人でも、スラスラ読める安心感と、「1話読み終えた!」という達成感が得られます。



また、対訳を見比べながら読めるため、英語独特の語順や表現のニュアンスも自然と身につくのが大きなポイントです。
「自然な感情表現」がリアルな英語として学べる



この物語に登場する英語は、テキストのような“堅苦しい表現”ではなく、リアルでやさしい感情表現が中心です。
たとえば:
- “It made me smile.”(思わず笑顔になった)
- “I missed her warmth.”(あのぬくもりが恋しかった)
- “I was just… happy.”(ただ、しあわせだった)



こうした英語は、英会話で“自分の気持ちを伝える力”に直結する重要表現。



「英語=論理」ではなく、「英語=気持ち」から学べるから、記憶にも心にも残る。
これは感情をともなったストーリーならではの学習効果です。
「かわいい」「泣ける」から続けたくなる



「語彙」や「文法」を目的にすると、英語はつまらなくなってしまうことも…。
でもこのシリーズには、“感情で読み進めたくなる”仕掛けがあります。
- 柴犬のけなげな成長にほっこり
- 小さな別れや再会にうるっとくる
- 最後まで見届けたくなる人生ストーリー



つまり、「英語を学ぶために読む」のではなく「続きが気になるから読む」英語学習。
だからこそ、毎日読みたくなる→毎日英語にふれる習慣がつくのです。
「感情で覚える」から、英語が長く残る



英語を“単語”として覚えるのではなく、“感情”とセットで記憶することで、
忘れにくく、自然に話せる表現が増えていく──
それがこのストーリー教材の最大の魅力です。



「感動した瞬間に出てくる英語」こそ、
本当に使える英語として、心に根を張ってくれます。
シンプルな単語でも、“心を動かす英語”に出会える



このシリーズで登場する英語表現は、中学英語レベルのシンプルな単語が中心。
それでも、心に深く残るのはなぜでしょうか?
たとえば…
- “I was scared.”(こわかった)
- “But she smiled at me.”(でも、ママが笑ってくれた)
- “And that made me strong.”(それだけで、強くなれた)



難しい単語や文法は不要。
「シンプルだけど、ぐっとくる」英語との出会いが、英語学習を感動体験に変えてくれます。
日常英語よりも“心の語彙”が増える教材



「英語で気持ちを言えない…」という悩み、ありませんか?



このシリーズは、「悲しい」「嬉しい」などの基本感情を、具体的な英語フレーズで伝える練習ができます。
- 寂しさを伝える
- ぬくもりを表現する
- 誰かに感謝を伝える



──そんな“心の語彙”が、少しずつ増えていく。
テスト対策よりも、「誰かに自分の気持ちを届けたい」人にこそ、ぴったりの教材です。
この物語を「英語日記」や「感情表現の練習」に使う方法



ただ読むだけじゃもったいない。
この感動ストーリーは、「英語で自分の気持ちを伝える力」を伸ばす最高の教材になります。



英語に訳された感情表現を、自分の生活や気持ちに置きかえることで、
“使える英語”がどんどん身につくようになります。
「今日の気持ち」を英語で言い換えるトレーニング
たとえば…
「今日は少し寂しい」→ I feel a bit lonely today.
「がんばった自分を褒めたい」→ I want to praise myself for trying hard.



この物語には、日常では言いにくい“心の声”が詰まっています。
そのフレーズを真似しながら、自分の今日の気持ちを英語で書いてみましょう。
✅ ノートに書く
✅ スマホにメモする
✅ SNSでつぶやいてみる



毎日1フレーズでもいいから、自分の感情を“英語で言語化する習慣”を持つだけで、表現の幅が広がっていきます。
好きな1文を音読・シャドーイングするだけでも効果◎
たとえばこの1文──
“That warmth was everything to me.”
「あのぬくもりが、ぼくの世界のすべてだった。」



声に出して読んでみると、気持ちが乗った英語が自然と口になじんでくる感覚があります。
📌 音読 → 感情をのせる練習に
📌 シャドーイング → リスニングと発音の上達に



「ただ読む」から一歩進んで、“英語を感じながら話す”ステップへ。
これだけでも、英語が自分の言葉になっていくのを実感できますよ。
【全16話】柴犬の人生と一緒に学ぶ英語



感動の全16話を、英語と日本語の対訳つきで完全収録。
1話ずつ年齢を重ねる柴犬の人生を、英語と日本語の両方で味わえるこのセクションは、読むだけで「英語が自然と身につく!」
第1話|0歳──この世に生まれてきた日


The morning of my first day.
I woke up to the warmth of my mother’s body.
はじめましての朝。
ぼくは、母さんのぬくもりの中で目を覚ました。
I couldn’t see her eyes yet, but there was a soft smell and a warm sound.
目はまだ見えないけど、
やわらかい匂いと、あたたかい音があった。
A human hand whispering, “Come here,” in a small voice.
I was a little scared, but the tips of the fingers were warm.
I fell asleep in them again.
小さな声で「おいで」とささやく人間の手。
ちょっと怖かったけど、指の先はあたたかくて、
ぼくはその中で、また眠った。
My story began at
with this “palm of my hand.
ぼくの物語は、
この「手のひら」から始まった。
第2話|1歳──初めて走った日


Those were the days when he was just following his mother around.
お母さんのあとを、ちょこちょこついて歩くだけだったあの頃。
But one day,
I felt her mother, who was a little far away from me, turn around and say, “Come here.
でも、ある日──
少し離れた場所にいたお母さんが、くるりと振り返ってこう言った気がした。
Come here.
「おいで」
At that moment, my heart was filled with excitement.
Stretching my short legs as far as they would go, I
ran for the first time.
その瞬間、胸がふわっと熱くなった。
短い足をめいっぱい伸ばして、
ぼくははじめて“走った”。
Even though I fell down and got covered in mud,
my mother laughed at me, so
I laughed, too.
転んでも、泥だらけになっても、
お母さんが笑ってくれたから、
ぼくも笑った。
The day I learned that running with the wind
was so much fun.
風を感じて走るのって、
こんなにも楽しいんだって知った日。
It was the day I felt “freedom” in my small body for the first time.
小さな体に、初めて“自由”が宿った日だった。
第3話|2歳──小さな勇気


The day I went outside for the first time.
はじめてお外に出た日。
The smell of the wind. The coldness of the grass. The vastness of the sky.
風のにおい。草の冷たさ。空の広さ。
Everything was new and a little scary.
すべてが新しくて、ちょっとこわかった。
But every time Mom walked in front of me and looked back, I felt like she was telling me, “It’s okay.
だけど、ママが前を歩いて振り返るたびに、 「だいじょうぶ」って言ってくれてる気がした。
I chased after her with my little feet.
ぼくは小さな足で、ママを追いかけた。
I got up every time I fell or tumbled.
ころんでも、転んでも、そのたびに立ち上がって。
And the moment I reached her tail with the tip of my nose, I felt I could like myself a little more.
そして、ママの尻尾に鼻先が届いた瞬間、 ぼくは少しだけ、自分のことを好きになれた気がした。
It was just a few steps, but it was a big step for me.
それは、たった数歩の冒険だったけど──
ぼくにとっては、大きな一歩だったんだ。
第4話|3歳──初めての遠吠え


One night, there was a fair moon in the sky.
It was a quiet night. My family was sleeping.
ある晩、空にまあるい月が浮かんでいた。
静かな夜だった。家族は眠っている。
I felt a tingle in my heart, and
I turned my head to the sky and said to myself, “Wow!
なんだか胸の奥がムズムズして、
ぼくは、見よう見まねで空に向かって──「ワオーン!」
My voice was quieter than I expected, and somewhat unreliable.
But strangely enough, I felt a little lighter.
声は思ったよりも小さくて、どこか頼りなかった。
でも、不思議なことに、すこしだけ心が軽くなった。
Since then, whenever
night falls, I look up at the moon and try
to send my thoughts in a voice that is still clumsy.
それからというもの、
夜がくるたびにぼくは月を見上げて、
まだ不格好な声で、思いを届けてみる。
My inexpressible feelings become
howls and disappear into the sky.
言葉にできない気持ちは、
遠吠えになって、空に消えていく。
第5話|4歳──”ただいま”の意味を知った日


It was a rainy day.
When I came home covered in mud, my
mother quietly groomed me without getting angry.
雨の日だった。
泥だらけになって帰ってきたぼくを、
母さんは怒ることなく、静かに毛づくろいしてくれた。
I was worried.”
Her voice was warm.
「心配したよ」
その声が、あたたかかった。
I thought that although the outside world was fun, I was happy to have a place to come home to.
外の世界は楽しいけれど、
やっぱり、帰ってくる場所があるって幸せなんだと思った。
My body was getting bigger little by little, but being next to my
mother was still a sign of security for me.
体は少しずつ大きくなっていくけど、
母さんの隣は、まだぼくにとって安心の証だった。
No matter how far away I went,
having a place to come home to was an amazing thing.
どんなに遠くへ行っても、
帰れる場所があるって、すごいことなんだ。
第6話|5歳──はじめての冒険


That day, I saw the world outside through the crack in the front door.
The wind felt good, and I could smell the grass.
I couldn’t help but start running.
あの日、玄関のすき間からふと見えた外の世界。
風が気持ちよくて、草の匂いがして、
ぼくは思わず走り出してた。
I heard a voice saying, “Hey! I heard a voice saying, “Hey!
I had never seen anything like it before.
「こらーっ!」って声が聞こえたけど、
止まらなかった。
だって、その先には見たことない景色があったから。
I met frogs for the first time.
A gliding stream.
The sunset was turning my back gold.
はじめて出会ったカエル。
すべるように流れる小川。
夕焼けが、ぼくの背中を金色に染めていた。
But as the sky gradually darkened,
suddenly, I became sad and
missed that voice.
でも、だんだん空が暗くなって、
急に、心細くなって、
あの声が恋しくなった。
When I came back to her,
a warm hand wrapped around me.
「ただいま」って戻ったとき、
あたたかい手がぼくを包んでくれた。
I was nervous about the adventure, but
I knew that having a “place to return to” was
very important.
冒険はドキドキしたけど、
やっぱり「帰る場所」があるって、
とても大切なことなんだと知った。
第7話|6歳──初めてのおつかい


I felt a little uneasy walking away from my mother.
But when she asked me to “deliver this,”
I walked as hard as I could with my small body.
母と離れて歩く道は、やっぱり少し心細い。
でも「これを届けておいで」と頼まれて、
ぼくは小さな体で、一生懸命歩いた。
The wind was blowing, I could smell the grass,
and every now and then I felt someone calling out to me, “Hang in there.
風が吹いて、草の匂いがして、
時々、誰かが「がんばれ」と声をかけてくれた気がした。
My steps were faltering, but
I had a purpose in my heart.
足取りはたどたどしいけれど、
胸のなかには、ちゃんと“目的”があった。
Just knowing that there was someone waiting for me
gave me strength.
「待ってる人がいる」って、
それだけで、力が湧いてくる。
A small bag carried by small hands.
But it was a “big adventure” for me.
小さな手で運んだ、小さな袋。
でもそれは、ぼくにとって“大きな冒険”だった。
第8話|7歳──母のまなざし


Recently, my mother’s movements have become a little slower.
最近、母の動きが少しゆっくりになった。
She doesn’t chase after me when I run, as she used to do, but she watches me from afar. But she watches me from afar. When our eyes meet, she blinks slowly.
ぼくがはしゃいで走っても、前みたいに追いかけてはこない。 でも、遠くからちゃんと見ていてくれる。 目が合うと、ゆっくりまばたきしてくれる。
That alone is enough to make my heart beat tight in my chest.
それだけで、胸がぎゅっとなる。
When I was a child, my mother’s back was everything to me, but now she watches my back.
子どもの頃は、母の背中がすべてだったけど、 今は、ぼくの背中を見てくれてる。
Her eyes tell me that everything is going to be okay.
「もう大丈夫」って、あの目が言ってた。
But there are still times when I want to gently pull her hand away.
でも、ぼくはまだ、 その手を、そっと引きたくなるときがある。
Kindness is not just about being there for them. I have learned that watching over you is also love.
優しさって、そばにいることだけじゃない。 見守ることも、愛なんだと知った。
第9話|8歳──あなたの声が、支えだった


Lately, I’ve been walking a little slower.
最近、少し歩くのがゆっくりになった。
When I stop in the middle of a walk, you squat down and look into my face. You would gently ask, “Are you okay?” You would gently say to me, “Are you okay?
散歩の途中で立ち止まると、 あなたがしゃがんで顔を覗き込んでくれる。 「大丈夫?」って、やさしく声をかけてくれる。
That’s all it takes to keep me going just one more step.
それだけで、もう一歩だけ頑張れるんだ。
I can no longer run as fast as I used to or chase after my toys, but your voice is my greatest reward now.
昔みたいに全力で走ったり、 おもちゃを追いかけたりはできなくなったけど、 あなたの声が、今のぼくのいちばんのごほうび。
Even if I can’t communicate with you, your smile lightens my heart.
たとえ言葉は通じなくても、 その笑顔が、ぼくの心を軽くしてくれる。
Today, too, I’ll take my time. I am happy just to be able to walk with you.
今日も、ゆっくりでいい。 あなたと一緒に歩けるだけで、ぼくは幸せなんだ。
第10話|10歳──いま、君の名前を呼ぶ


My ears twitch at the sound of the front door.
玄関のドアの音に、耳がぴくりと動く。
He’s back. She came back today, too.
帰ってきた。 あの子が、今日も帰ってきた。
He put down his school bag and went straight to me. I love the way she says, “I’m home,” with a smile on her face.
ランドセルをおろして、まっすぐにぼくのもとへ。 にこにこしながら「ただいま」って言う、その声が大好きだ。
I used to cry when she used to fall down. Now he pats me on the head.
昔はよく転んで泣いてたのに。 いまでは、ぼくの頭をなでてくれる。
Your happy voice was more soothing than any music.
楽しそうに話す君の声は、 どんな音楽よりも心地よかった。
I just listened by your side. That was all I needed to hear for the rest of the day.
ぼくはただ、君のそばで聞いていた。 それだけで、一日が報われた気がする。
I wish I could call your name. I wish I could say, “Welcome home.
ねえ、君の名前を呼べたらいいのに。 「おかえり」って、言えたらいいのに。
第11話|10歳──大切なものを守りたくて


In the past, I used to enjoy just running as fast as I could and howling at the
sky.
昔は、ただ全力で走って、空に向かって吠えるだけで楽しかった。
But now,
when there is someone who gently snuggles up to me,
I feel soft and warm inside.
でも今は、
そっと寄り添ってくれる誰かがいると、
心の奥がふわっと温かくなる。
The voices of children,
the smiles of those who take care of me every day.
子どもたちの声、
毎日お世話をしてくれる人の笑顔。
All of these have become my “treasures.
そのすべてが、ぼくの“宝物”になっていた。
One day, when there was a thunderstorm,
I saw a small Shiba Inu trembling next to me.
ある日、雷が鳴ったとき、
隣で震える小さな柴犬がいた。
It reminded me of my old self…
I just stood in front of the little dog.
昔の自分と重なって──
ぼくは、ただその子の前に立った。
I wanted to protect her.
Protecting someone is
something that gives you so much courage.
守りたかったんだ。
誰かを守るって、
こんなにも勇気をくれるものなんだね。
第12話|11歳──歩幅を合わせるように


Friends who used to run together now walk slowly.
昔は一緒に走っていた友だちも、今はゆっくり歩くようになった。
In the past, I might have overtaken them.
But now they are naturally matching their strides.
以前なら追い越していたかもしれない。
でも、今は自然と歩幅を合わせている。
Walking side by side.
Hearing the sound of the wind, feeling the smells of the seasons.
並んで歩く道。
風の音を聞きながら、季節の匂いを感じる。
There are few words, but there is something that can be conveyed just by the
glance.
言葉は少ないけれど、視線だけで伝わるものがある。
It’s a beautiful day.“
”It’s time to take a rest.”
「今日は、いい天気だね」
「そろそろ休もうか」
We can now share such feelings with each other.
そんな気持ちを分かち合えるようになった。
It’s quiet, but it fills me with a sense of contentment.
To grow old is not only to know how fast
you can walk, but also to know how to be kind.
静かだけれど、満たされた時間。
歳を重ねることは、
歩く速さだけじゃなく、優しさを知ることかもしれない。
第13話|13歳──ゆっくりでも、そばにいるよ


The strides we take when we walk are becoming less and less in sync.
The paths we used to run together are now much slower than mine.
私たちが歩く歩幅は、だんだん合わなくなってきている。
以前は一緒に走っていた道も、今では私よりずっと遅い。
But you still wait for me without saying a word.
You smile and say, “Take your time.”
You walk in step with me.
それでもあなたは何も言わずに私を待っている。
微笑みながら、「ごゆっくり 」と言う。
あなたは私と歩調を合わせて歩く。
The wind was soothing and
your footsteps were the most reassuring sound I could hear.
風は心地よく、
あなたの足音は、私が聞くことのできる最も心強い音だった。
The days of my youth will never return, but
I am happy now, just as I am now.
青春の日々はもう戻ってこないけれど、
今の私は、今のままで幸せだ。
第14話|13歳──見送るという役目


Lately, the boy next door has become quieter.
I couldn’t even see him on the path that we used to walk together.
最近、隣の子が静かになった。
よく一緒に歩いた、あの小道にも姿が見えない。
The keeper said in a gentle voice, “You don’t have to work so hard anymore.
The keeper said to me in a gentle voice, “He has left for the sky, telling you that you don’t have to work so hard anymore.
飼育員さんが優しい声で言った。
「もう、がんばらなくていいよって、お空に旅立ったんだよ」
This was the first time that I was on the side of ”seeing him off.
My heart squeezed in my chest as I remembered her small back.
“見送る側”になったのは、これが初めてだった。
小さな背中を思い出して、胸がぎゅっとなる。
But strangely, I did not cry.
だけど、不思議と泣かなかった。
I am sure that the days left behind by that child are still alive inside me.
きっと、あの子が残してくれた日々が、ぼくの中でちゃんと生きているから。
Sending her off does not mean forgetting her.
It means to keep her “happy time”
gently in the back of my heart.
見送るって、忘れることじゃない。
その子の“しあわせだった時間”を、
胸の奥でそっと守り続けることなんだと思った。
I am still walking.
I still walk, carrying the memory of that child in my footsteps.
ぼくは今も歩いている。
その足音の中に、あの子の記憶をたずさえて。
第15話|14歳──心がつながる瞬間


I used to not be very good at taking advantage of someone.
昔は、誰かに甘えるのが得意じゃなかった。
But as I got older, I learned the warmth of cuddling.
だけど、歳を重ねるにつれて、 寄り添うことのあたたかさを知った。
There is always someone who is quietly standing next to you. I feel relieved just by meeting someone’s eyes, without saying a word.
いつも静かに隣にいてくれる人がいる。 何も言わなくても、 目が合っただけで、ほっとする。
I liked walking more than running these days.
この頃のぼくは、走るよりも、 のんびり歩くのが好きになった。
A zookeeper passing by me murmured, “You have a nice face.
すれ違った飼育員さんが、 「いい顔してるね」ってつぶやいた。
I realized for the first time that this was “happiness.
ああ、これが“しあわせ”なんだって、 そのとき、初めてわかったんだ。
Supported by a little warmth, another peaceful day was ending.
小さなぬくもりに支えられて、 今日もまた、穏やかな一日が終わっていく。
第16話|15歳と最後の朝──ありがとう、を君に


Today, too, the morning light was gently shining through.
The smell of the wind and the color of the sky seemed somehow special.
今日も、朝の光がやさしく差し込んでいた。
風の匂いも、空の色も、どこか特別な気がした。
I couldn’t run around like I used to, but I walked slowly and sat down at the keeper’s feet.
I felt the comfort of the keeper’s head as he stroked me…
I quietly closed my eyes.
もう昔みたいに走り回ることはできないけれど、
ゆっくり歩いて、飼育員さんの足元に座った。
なでられる頭が、心地よくて──
ぼくは、静かに目を閉じた。
The day I fell asleep by my mother’s side when I was a little girl.
The days when I ran and fell and laughed with you.
The times we spent next to each other without saying a word as we grew older.
All of it comes back to me warmly.
小さなころ、ママのそばで眠った日。
走って転んで、君と笑いあった日。
年を重ねて、何も言わず隣で過ごした時間。
そのすべてが、あたたかくよみがえってくる。
The last thing I saw was the tearful smiles of the people I
love.
最後に、ぼくが見たのは、
大好きな人たちの、涙交じりの笑顔だった。
Thank you.
Thank you for looking at me, nurturing me, and loving me.
ありがとう。
ぼくを見つめてくれて、育ててくれて、愛してくれて。
I’m not here anymore, but
I’m sure I’ll always be somewhere in your heart.
ぼくはもう、ここにいないけれど、
きっとずっと、あなたの心のどこかにいる。
It’s not good-bye.
The wind told me that I would see you again.
さようならじゃないよ。
またね──って、風が教えてくれた。
まとめ|感情と言葉は、言語を超えて届く
言葉がわからなくても、泣ける物語がある。
英語が苦手でも、心で読めるストーリーがある。
この作品を読んだあなたの中に、
“伝わる英語”が、きっと芽吹いているはずです。