システム監査技術者の独学では、ITの知識を「監査人なら何を確認するか」という問いにつなげることが大切です。リスクを挙げるだけでなく、どんな資料や事実を確かめ、どのように評価するかまで練習しましょう。
この記事では、監査未経験から独学で合格した方の公開体験を紹介し、知識・記述・論述の進め方と、監査手続を具体化する練習例をまとめます。教材の全体比較はシステム監査技術者の参考書・問題集へ。必要な役割から選ぶと、手持ちの教材も生かせます。
システム監査技術者試験とは?監査の視点をつかむ

IPAの対象者像は、監査対象から独立し、客観的な立場で情報システムなどを検証・評価する人です。開発や運用の担当者として対策を実施する説明と、監査人として対策の適切さを確かめる説明を分けると、答案の役割がはっきりします。
出典:IPA「システム監査技術者試験」。2026年度はCBT方式の後期実施で、現行制度は2026年度の試験をもって終了し、2027年度から新制度へ移行する予定と案内されています。
試験の構成:記述と論述を分けて対策する
| 科目(2026年度) | 時間・解答数 | 対策の観点 |
|---|---|---|
| 科目A-1(旧午前Ⅰ) | 50分・30問全問 | 共通のIT知識。免除の対象となるかも確認 |
| 科目A-2(旧午前Ⅱ) | 40分・25問全問 | 監査を含む専門知識の意味と使い方 |
| 科目B-1(旧午後Ⅰ) | 90分・3問から2問 | 問題文の条件を読み、求められた内容を記述 |
| 科目B-2(旧午後Ⅱ) | 120分・2問から1問 | 設問に沿って、監査の考え方や手続を論述 |
2026年10月30日確認:AUの2026年度後期は、申込受付が2027年1月27日〜2月27日、科目A群が2月20日〜3月2日、科目B群が3月16日〜28日の案内です。「2026年度後期」と、2027年度からの新制度を混同せず、IPAの申込・実施期間で対象を確認してください。
難易度は、知識・読み取り・論述に分けて考える
同じIT経験者でも、監査用語になじみがあるか、問題文から根拠を拾えるか、論述の構成を作れるかで、必要な練習は変わります。まず選択式を一度解き、記述・論述は設問を読んで、どこから説明できなくなるかを確認しましょう。
合格率を比較するときは、IPAの統計情報で年度と受験者数をそろえて確認します。自分の計画では、全体の数字に加え、解答できなかった理由を次の練習へ反映することが役立ちます。
合格者の学び方:監査未経験から独学で取り組んだ例

LIsh3y3さんの2024年度合格体験記では、監査未経験・IT業界経験2年未満で、参考書や基準の学習、過去問、論文の題材整理を進めた例が紹介されています。応用情報と支援士の合格経験もある方で、ITを初めて学ぶ状況とは異なります。
参考にしたいのは、経験の有無だけで判断せず、監査の表現と論述の進め方を学び、解答を作る練習へつなげたことです。2024年当時の紙試験の準備と、2026年度のCBTで必要な操作・日程は分けて確認しましょう。
独学を選ぶ前に、必要な支援を整理する
参考書の説明を理解し、自分で答案を作って見直せるなら、書籍と過去問を中心に進める方法が候補になります。自分の論文の弱点を見つけにくい場合は、添削や講義を追加する選択もあります。費用だけでなく、必要な支援を受けられる時期まで比べましょう。
独学の迷いは、具体的な確認項目へ変える
- 用語がつながらない:教科書の説明を読み、リスクとコントロールの例を一つ書く。
- 記述で何を書けばよいか迷う:設問の要求と、本文の根拠を対応させてから解答する。
- 論述が抽象的になる:対象業務・監査目的・確認する証拠を具体化し、構成を見直す。
勉強法とスケジュール管理:読む時間と書く時間を作る
学習計画は、教材を読み終える日だけでなく、答案を作る予定から考えます。初めに記述と論述の問題を読み、必要な知識を学びながら少しずつ解答する形なら、直前まで書く練習を先延ばしにせずに済みます。
自分の理解度に合わせる学習スケジュール

以下はIT-SHARKによる計画例です。学習期間は固定せず、最初の演習結果と使える時間に合わせて調整してください。
| 段階 | 取り組むこと | 次へ進む目安 |
|---|---|---|
| 全体をつかむ | 対象科目・免除・教材の役割を確認し、過去問を一度見る | 不足する知識と、書けなかった設問が分かる |
| 理解と記述をつなぐ | 用語を学び、問題文の根拠と解答を対応させる | その答えになる理由を自分の言葉で説明できる |
| 論述を組み立てる | 題材の業務・リスク・監査手続を整理し、構成から本文へ | 設問ごとの答えと、具体的な判断理由がある |
| 時間内に仕上げる | 選択・構成・解答・見直しを含めた練習をする | 時間が足りなくなる箇所と調整方法が分かる |
試験直前の調整:監査手続を具体化する
知識を覚えていても、解答が「適切に確認する」だけでは、何をするのか伝わりにくくなります。どの対象について、どの資料・記録・人の説明を照合するかを書き出してみましょう。
以下は、架空の販売システムのアクセス権限を題材にした練習例です。実際の監査結果や合格答案ではありません。設問の条件に応じ、必要な証拠と手続を考えるために使ってください。
| 観点 | 練習用の例 | 答案で具体化すること |
|---|---|---|
| リスク | 異動した担当者の権限が残り、不要なデータへアクセスできる | 誰のどの権限に、どの業務上の影響があるか |
| 想定するコントロール | 異動・退職に応じた変更と、定期的な権限の棚卸し | 誰が、いつ、どのルールに沿って行うか |
| 監査手続と証拠 | 人事異動の記録、権限一覧、変更申請・承認の記録を照合する | 対象期間・抽出対象・不一致の確認方法 |
| 評価と報告 | 必要な変更が行われたかを確かめ、確認した事実と判断を整理する | 証拠に基づく結論と、関係者へ伝える内容 |
直前期に確認したいこと
- 解説を見ずに、設問に対する答えとその理由を説明できるか。
- 論述の構成に、監査目的・手続・証拠・評価が具体的に入っているか。
- CBTでの受験に向けて、予約内容・本人確認書類・操作の案内を確認したか。
当日の持ち物や方式についてはシステム監査技術者のFAQへ。学習法の比較と当日の確認を分けると、直前に探す情報を絞れます。
独学を続けるための振り返り方
毎回の演習を、次の一問につなげる記録にしましょう。得点だけでなく、用語の理解、設問の読み取り、具体化のどこでつまずいたかを残すと、復習の範囲を選べます。
計画は、できた答案を基に調整する
一週間の終わりに「何ページ読んだか」と「何を自分で説明できたか」を確認します。読み進められていても書けない場合は、次の週に構成や本文を書く時間を増やすなど、結果に合わせて予定を組み替えましょう。
問題集は、根拠を説明して解き直す

同じ問題を解くときも、正解を思い出すだけで終えず、問題文のどの条件が解答の根拠になるかを確認します。論述では、設問が変わった場合に、準備した題材のどの部分を変えるべきかも考えてみましょう。
本番に向け、取り組む順番を決めておく
時間配分と見直す項目を決め、練習で試しておくと、当日の行動を整理できます。難しい問題に出会ったときも、設問の要求・使える根拠・残り時間を確認し、選択や解答の順番を判断しましょう。
おすすめの参考書・問題集:役割と対象版で選ぶ
知識の整理、記述の解法、論述の構成、時間内の演習では、必要な教材の役割が違います。AU教材の比較で、対象科目・収録問題・紙とWebの範囲を比べ、手持ちの本と重なる部分も確認してください。
主教材:ALL IN ONEの対象科目と版を確認する
今から選ぶ候補は、2026-2027年度版(ISBN 9784300120552)を確認しましょう。TAC公式の商品情報では、科目A-2・B-1・B-2の対策を扱い、科目A-1対策は含まれない構成です。知識と記述・論述の進め方を一冊で確認したい人は、目次やサンプルを比較してください。
以下の購入カードは2024年度版です。すでに持っている人は、現行のシラバス・出題形式と照合して復習に使う範囲を決めましょう。新しく買う場合は、対応版を含む参考書比較で対象年度を確認してください。
仕上げの問題集:紙とWebの収録範囲を比べる
iTEC公式の2026年版 総仕上げ問題集は、分野別Web確認テスト、本試験問題、実力診断テストで取り組む構成です。過去問10期分にはダウンロード提供分を含むため、すべて紙に載るものと考えず、利用する端末や提供条件を確認しましょう。
以下のカードは2024-2025年版です。手持ちの版を使う人は、収録されていない年度を確認して補いましょう。これからの購入候補は、対象年度をそろえた問題集比較から選べます。
まとめ:リスクと証拠をつなげ、自分の答案へ

独学で大切にしたいのは、知識を読み進めることと、自分で解答を作ることの両方です。合格体験は経験や受験方式の違いも踏まえて参考にし、今の自分の弱点に合う練習を選びましょう。
次に進む案内:参考書・問題集を役割で比較する/勉強・当日のFAQを確認する。



